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中国舞踊

中国舞踊は五千年の歴史を持つとされ、一口に言うと中国古典舞踊と中国民族民間舞踊である。
中国古典舞踊の元は古代の伝統宮廷舞踊が発展した。最初の宮廷舞踊は紀元前２１世紀の夏王朝から始まった。
宮廷舞踊の最隆盛期は政治が安定し、文化の文流が盛んな唐代である。古代の有名な舞踊家、舞姫はたくさんいた。
よく知られるのは漢代の趙飛燕 で、彼女の身体が燕のように軽く、気を用いるのに長じ、舞い姿は軽快かつ優美で、技巧にも優れ、小走りに走っても手に持った花の枝がほとんど揺れ動かないほど巧みであった。
唐代の唐玄宗皇帝の寵愛•楊貴妃 （楊玉環）は、“霓裳羽之舞”という舞踊を作った。衣装は華麗かつ優雅であった。孔雀の緑色の羽衣、薄いブルーのスカート、肩に薄いショール頭には歩く度に揺れる「歩揺冠」さらに様々な宝石で飾られていたと言う。
中国民族民間舞踊は漢民族、モンゴル族、チベット族、ウィグル族、朝鮮族、タイ族、ミオ族などの舞踊で自然への感謝、崇拝の心から生れた。伝統文化を表現、歴史の流れに沿って形を変えて発展してきた。芸術家、舞踊家はいろいろな古代伝統舞踊、民間民族舞踊を収集し、整理して戯曲芸術を吸収、外国舞踊（バレェ、モダンダンス、ジャズダンスなど）を参考にして、さらに創意工夫を施した。
１９５０年代には中国舞踊は正式的に古典舞踊と各民族民間舞踊を二つに分けられ、舞踊大学、舞踊学院、舞踊専門学校で夫々が教材として使われ、大量の職業舞踊芸人を養成している。また、現代舞踊も創意した。
中国舞踊はテクニックの体外的なものと神気という体内的なものがある。表現する物はたくさんある。各種の民族音楽、様々な民族衣装を使っている。
中国民族舞踊
中国民族舞踊とは大自然への感謝、崇拝の心から生まれるものである。伝統文化を表現し、歴史の流れによって形を変えてから発展してきた。
中国には５６種類の民族があり、環境、風俗、言葉、習慣はそれぞれ違っていて、各民族は自身の舞踊があり、その特徴を持っている。漢民族民間舞踊は１４２９１種類、モンゴル民族、チベット民族、朝鮮民族、ウイグル民族、タイ民族、ミオ民族など、少数民族民間舞踊は３３４５種類。（中国民間舞踊収集編集部調べ）中国各民族民間舞踊とも言う。
モンゴル民族舞踊
モンゴル民族は中国の北から北東地方の大草原を拠点として生活している。遊牧民族である。
舞踊の特徴は抖肩（肩を震わせ）、展臂（身のはばたき）、圧腕（手首を使う）、馬歩（馬のような歩き、走り、ジャンプ）などで、それぞれの振り使って草原と馬を愛している気持ちを表現する。
チベット民族舞踊
チベット民族は中国の西に定住し、標高３０００mを超える青蔵高原で遊牧生活をしている中国民族の一つである。
舞踊の特徴：＜一順邊＞
頭から腰まで上半身はリラックスして自然に左右に揺らしている。腰は前に90度曲げている特別な姿勢がある。よく使われる「哈達（ハーダ）」(真っ白の長い絹）は大切なお客様への贈り物である。
ウィグル民族舞踊
ウィグル民族は中国北西部の天山山脈南に定住して、言葉はウィグル語、宗教はイスラム教である。
舞踊の特徴：
顎、胸、腰を上げる姿勢、ひざを震わせ、頭から目、首、肩、手、脚、指先までそれぞれ動きがあり、特に目元をよく使って感情表現をする。"軟腰"(腰を左右後に曲げる）や快速なシェネのあとでのストップするテクニックは見事である。
朝鮮民族舞踊
朝鮮民族は中国の北東3省(吉林省•遼寧省•黒龍江省）に生活している。
舞踊の特徴：
息使いにより自然に沈み、起こし、静の中に動があり動の中に静がある。
タイ民族舞踊
タイ民族は中国の南西、雲南省のシーサンパンランの住民、見渡す限りの竹の葉、ひとたまりひとたまりの清泉。美しい風景が彼らを包み込んでいる。
舞踊の特徴：＜三道弯＞
胸、腎部がはって、腰がそって曲線的な美しい姿である。ステップを踏むときには脚を強く後ろに上げて脚を軽く落とす。
ハニ民族舞踊
ハニ民族は中国雲南省南西の村に住んでいる。そこは暖かくて青々とした山林と谷が広がり実り豊かなところである。
舞踊の特徴：
軽快なリズムの音楽により体を前後左右に振って手と足につけている“銀鈴”を鳴らす。
ミオ族舞踊
ミオ族は中国の湖南、四川、貴州にある高い山と谷の峡間に住んでいる。女性の服装は赤と黒の刺繍をしている短い上着とスカート、銀のアクセサリーを体一杯に着けている。
男性の服装は短い上着とゆったりとしたズボンである。牛は縁起の良いものと信じられ大切なパートナーとして家には牛の角、牛の頭を飾っている。
舞踊の特徴：
ヒップを左右に揺らすことにより腕が左右に振っている。胸は立体的な円を描いている。腕が振れることにより腰がねじれて回っている。
中国古典舞踊
中国古典舞踊とは古代の伝統舞踊と劇曲芸術から発展したものである。
劇曲の表現形成（歩伐、身段、武打、筋斗）を吸収、バレエのトレーニングを参考にし、二つのものを組み合わせて、規範性、公式性、厳正なトレーニングシステムを持っている中国古典舞踊が誕生、その大きな特徴は「身法」と「韵律」を持っている。「身法」は形、テクニックなど体外的なものであり、「韵律」は神気という体内的なものであり、不可欠な要素である。
「古典」というのは古代の歴史性と伝統文化性に対する尊敬を込めた評価で、典型的、代表的なものである。中国古典舞踊の作品は物語を表現することが多い。
袖と髪：
“袖”は又“水袖”とよばれる。唐の時代にまでさかのぼり、“水袖”は中国古典舞踊の一つ。唐時代の宮廷舞踊の中「白寧舞」は代表的な“水袖”の踊りである。その水袖は又は伝統劇の中で使われて発展している。水袖の基本的な振りは振ったり、放ったり、投げたり、掴んだりすることである。表現される人物によって使っている水袖は様々で、その表現はとても高い芸能である。水袖の踊りは特別な旋律を持っている。
“髪”は中国伝統劇の男役の芸能である。人のいろいろな気持ちを表現する。
袖と髪という踊りは人の心の世界の悲しみ、押さえ込んでいる怒りや憤りを表現する。水袖と髪の2つの芸術、芸能を1つに溶け合わせて、古典舞踊と現代舞踊の融合している作品である。
敦煌舞踊
敦煌舞踊は中国古典舞踊の一つである。中国のシルクロードの敦煌という所に世界遺跡の“莫高窟”があり、その“莫高窟”に１６００年前の千姿百態な仏像彫刻、壁画が残されている。舞踊芸術家はその千姿百態な仏像彫刻、壁画の造形を舞踊質材として“敦煌舞踊”を作った。舞踊特徴は身体でＳの字を作りながら静と動を組み合わせている。
敦煌彩塑
敦煌彩塑は中国古典舞踊の中に敦煌舞踊である。仏像彫刻壁画の復活と、しとやかで質素な女性を表現し叙情的な美しい絵がゆったりと流れ、漂っている様子を表現している。
飛天という踊りは美し天女が２０ｍもある箱の布をたなびかせて天空を舞っている。飛んだり走ったり回転したりしながら、長い２本の絹の布で筒のような形や８の字などいろいろな形を作って踊っている。自由で平和な暮らしを願った気持ちを表現している。
現代舞踊
何千年の歴史を持っている中国舞踊と何百年の歴史があるバレエと非公式的で開放的なモダンダンス、ジャズダンスを融合している舞踊である。
東北秧歌
漢民族舞踊の一つである。もともと人々が田植歌を歌いつつ踊りで東北地域に盛んでいる。
芸術家はその踊りを研究、工夫して規範的舞台芸術な舞踊になった。
舞踊の特徴 ：
「走相」「穏相」「鼓相」「手巾花」という四つの部分がある。
「走相」は歩法。足をつっぱって体を左右にねじり揺らして率直な性格を表現する。「穏相」は静けさの中に動があり「穏中浪」という「鼓相」は動きながら太鼓のリズムを口ずさんでいる。「手巾花」は手巾を両手で持って大回花、小回花、片回花というような花を作り感情を表現する